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THE PROGRAM(疑惑のチャンピオン)は見る価値がある

※注意・ネタバレあり※






























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観て来ました「疑惑のチャンピオン」(原題:THE PROGRAM)
予想以上に良い映画でした。
ていうか、今年のツール・ド・フランス第一ステージ初日に併せて日本公開とは、興行側も
やってくれるなあ(;^ω^)


誰しもが一度は聞いた事がある、自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」
その世界最高のレースで前人未到の7連覇という偉業を成し遂げた伝説の選手であり、その前に
ガンを克服し復活を遂げたという、実にドラマチックなエピソードまで備えたアスリート、
ランス・アームストロング選手。

しかし彼は現役時代のドーピングがバレてその偉業も剥奪、自転車レースから永久追放されて
しまうという、正に天国から地獄への転落劇で世界を震撼させたのは記憶に新しいところ。


そのランス・アームストロングの光と影にスポットを当てた本作は、予想以上に興味深い映画に
仕上がっていました。
原作が彼を告発したジャーナリストという事もあり、徹底的にランスに潰され掛かるという目に
遭わされた事も含めて、ランス・アームストロングという男の二面性(特に残虐性)にもメスを
入れた作品となっています。

しかし映画はそういう作者の個人的恨みつらみを超えた部分で、このランス・アームストロング
という人間の危うい程の純粋さを描き出していました。


「ランスの復活劇と活躍は金になる」「ガン撲滅の慈善事業は格好のイメージアップ」とばかりに
「金のなる木」に群がる人々と、その恩恵を受けるメディアや企業。
そしてランスの虚構の姿に希望を見出す人々と、大衆を含めた多くの人々が英雄を渇望し求める姿が
更に異様な”ランス・ブーム”を盛り上げます。


途中から加速的にランスの連勝は続き、世界の熱狂も留まるところを知らず、彼を看板に仕立てた
ガン撲滅の慈善事業も素晴らしい成果を上げ、業最早後戻り出来ないところまで到達したところで
ランスは王者のままツールを引退します。

栄光と成功を手にし、自分のドーピングを告発しようとする者を逆に告発し、容赦なく叩きのめし
今や誰も彼を揺るがすはずの無かった玉座から、結局彼は滑り落ちてしまいます。
栄誉は剥奪され、虚構の偶像は崩れ去り、多くの人と企業が彼の元から離れて行く事に。




巨額のカネが動くスポーツビジネスには、常に付いて回る不正。
私のようにやさぐれた大人になると、それも含めてスポーツビジネスであり、ビジネスとして
成立する以上は避けて通れぬものだと思っています。

今回の不正を告発する記者に対して、関係者は口を揃えて言います。
「そんな事をして一体誰が得をするんだい?ファンも我々も誰も得をしない」
と。

正にその通りです。


その通りだけど、そーじゃねえんだよ!
という気持ちが、私の中にもにも残っていました。
それを再確認させてくれただけでも、この映画は見る価値がありました。


多くの人にもそうですが、スポーツビジネスに携わる全ての人に見て欲しいと思います。



一体今の自分は、今どのくらいの所にいるのか。
戻れる位置にいるのか。
ハッとさせられる事が必ずあると思います
by onikibi | 2016-07-03 03:55 | Comments(0)

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