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ローガン:老人と息子と孫娘のロードムービー



※注意・ネタバレあり!!※














ローガンを観て来ました。
X-MENシリーズはヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じている作品を中心に
ビデオやCSのムービーチャンネルで何本も見てはいましたが、劇場で鑑賞したのは
実はこれが初めてだったりします…(;´∀`)

本当は去年のアポカリプスに行くつもりでしたが、色々と都合が合わなかった為に
行けませんでした。

今回はそんな経緯の後に行くべき映画か?とファンに問われると何も言い返せませんが
いつも通り全く事前情報無し、劇場予告だけで観に行きました。



こ、これは…すごく良い映画です(*´ω`*)





ファーストジェネレーションとアポカリプスは見てませんが、それ以前のシリーズを見た
印象とは全く別物の、実に良く出来た映画作品でした。
マーベルの(しかもFOXの)ヒーロー物という前提は吹き飛びます、本当に良い映画です。


この映画を見ていたら「グラン・トリノ」を思い出しました。



あらずじとか野暮はものは語りません。
これは是非御自身の目で見て、己の心で判断して欲しい映画です。



「夜明け告げるルーのうた」で、ガチの青春とファンタジーの融和性を語りましたが、
今作はスーパーヒーローとロードムービーの親和性の高さに驚かされました。
もちろん旅の終わりは物悲しいですが。



それにしても全盛期には不死身で最強と思われていたミュータントも、老いて朽ちて
行くものだという現実は、グッと心に刺さるものがありました。

ボケ老人になったプロフェッサーX(チャールズ)、体内のアダマンチウムの毒素で不死性を
蝕まれ老いて行くウルヴァリン(ローガン)、遺伝子操作された食品の流通でミュータントが
生まれなくなった世界に、兵器として生み出された新世代のミュータント・ローラ。

そのローラにコミックで描かれた自身の過去の活躍を聞かされ、X-MENのコミック誌を
叩きつけて「それはコミックの中だけの架空の話だ!」と激昂するローガン。
この場面は非常に胸に響きました。
いや、本当に物悲しい…あれだけいたX-MENメンバーのみならず、他のミュータントも
全て居なくなった世界というのが実に恐ろしくて…



そしてローラという新世代のミュータントと関わる事で、ローガンは再び血腥い戦いに
巻き込まれる事になります。

政府機関に追われるローラとチャールズを連れ、カナダ国境を目指し旅をするローガン
一行の姿は、今の高齢化社会に置ける家族の在り方と家庭介護の現実をストレートに
突きつけて来ます。


どうしようもない、仕方ない、たくさんの物を諦めて日々を送っていたように見えた
冒頭のローガンの疲れた生活は、その実必死に戦っていた日々でもありました。


そして若いミュータント・ローラを助ける為、ローガンは戦います。
勝ち負けとか、世界を救うとか、御大層な名目もプライドもヒーローに必要な必然性も
何も無く、ローガンは戦います。
とても悲しくて美しくて、残酷で無情なドラマの果てには、希望が守られていました。
例えそれが、ローガンが自ら望んていた物では無かったとしても…



ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスとは対極に位置する作品ですが、
不思議と通ずるものがありました。
多分それは父と子のドラマの本質が同じだからでしょう。
同じテーマでこうも違う作品があり、どちらも最高に良い作品に仕上がっている事が
何よりも素晴らしいと思います。



うーん、まさかローガンがこんなに面白い映画だったとは…ヤラれました(^_^;)
アポカリプスもレンタルで観てみるか…
by onikibi | 2017-06-03 17:28 | Comments(0)

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