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THE FOUNDER(ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)

※ネタバレはありますが、是非映画を御覧になって頂きたい※


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金曜日に友達に誘われて観て来ました。
というかマイケル・キートン主演で観たかった映画だったのですが、公開が7月末の
一番忙しい時期だったので、そのまま忙殺されて行きそびれていました。
まだ上映していると教えられて早速新宿へと繰り出した訳です(^_^;)

映画は、マクドナルドを全米屈指のハンバーガーチェーン店に押し上げて、外食産業の
一大帝国を築いた男の話です。
実話を元にした映画ではありますが、なかなか興味深くて面白い映画でした。


時は1954年の米国、マイケル・キートン演じるレイ・クロックという男は、色んな製品を
全米各地に売り込んで歩く飛び込みのセールスマンです。
ニンテンドーDSで出ていたアドベンチャーゲーム「ウィッシュルーム」の主人公カイルが、
同じような時代設定で同じセールスマンをしていたのを思い出しました。

シェークを作るミキサーを車に積んで、全米のレストランやドライブイン形式の飲食店に
売り込んで歩くという、実に地味で忍耐が必要なお仕事。
移動中に泊まるモーテルでは、忍耐を説く自己啓発のレコードを持ち歩いて聞いてるという、
なんだか高度経済成長期の日本におけるモーレツ社員を想起させる人物です。

52才でセールスの仕事を転々とし、その年齢においても未だ果たせぬ人生の成功を夢見る
意志の固い人間として描かれています。
その精神やよし!ではありますが、彼の望む成功とは程遠い人生でもあります。

そんな「冴えないセールスマン」のレイの元に、売り込んでは断られてばかりのシェーク
ミキサーの注文が一気に6台も舞い込みます。
間違いではないかと発注元を尋ねると、そこは大繁盛する1軒のハンバーガーショップ。
それが「マクドナルド」でした。


とまあ、何が劇的で何が面白いって、セールスマンのレイがマックとデックの兄弟が経営する
マクドナルドと出会う場面でしょう。

後は是非劇場で観て頂きたい展開ではありますが、ざっくり言うとレイが、革新的なキッチン
レイアウトと流れ作業でハンバーガーを作る、マクドナルドの調理システムに感銘を受けて、
是非ともこの店のフランチャイズを手がけて、多くの人にマクドナルドを味あわせたいという
夢を抱き、その夢の実現と飽くなき拡大の過程で、創業者であるマック&ディック兄弟と対立し
兄弟からマクドナルドを奪い取るという物語です。

こう書くとレイが身も蓋もない悪党に見えますが、実際やっている事は企業活動とその攻防。
そしてマック&デック兄弟に対するの仕打ちも、成功に突き進む過程で妻と離婚する下りも、
文字通り受け止めれば酷い人間であると見られるでしょう。
実際やってる事はそういう事ですし(^_^;)

でも、レイという人間は夢の実現に全てを投げ打つ男で、自分が雇う社員に対しては非常に
誠実で、レイの元で働く人々もフランチャイズ店の事を第一に考えてくれるレイに付き従い
自分たちの為、家族の為に懸命に働くのです。


面白いのは、レイの動機がひどく純真な事。
マクドナルドという世界的なチェーン店を展開する創業者(ファウンダー)として、帝国に
君臨する君主となる男が、1954年に今と変わらぬスピードでハンバーガーを調理して
客に提供するマクドナルドのスタイルに感動し感銘を受け、純粋にマクドナルドを全米の
人々に味わって貰いたいという同期は、綺麗事や後付事項では無いでしょう。
実際に傍目に見るほど順風満帆ではなく、一つ間違えば大失敗していた事業展開であると
言うのは、映画を見るまでもなく働いていれば嫌というほど思い知る事でしょう。


そして、従業員を怒鳴り散らして従わせるのではなく、各店舗のフランチャイズオーナーが
責任と誇りを持って仕事に就けるようにし、彼らが仕事を愛せるようにフランチャイズの
システムを構築して行く下りに、企業家として非情なレイの人間味が表れている気がします。


もちろん見方一つで事の善悪の判断なんて簡単に変わるのですが、レイが人間味溢れる
人物として映るのは、マイケル・キートンの演技あっての事だと思います。

企業ドララマとしても興味深い作品であり、米国を知る上でも有益な映画であり、そして
映画としても面白い「ファウンダー ハンバーガ帝国のヒミツ」
原題は「THE FOUNDER」なので、最初映画を見る前は「なんちゅう酷い邦題だ」と思って
いました(^_^;)
けれど見終わると、なるほどこの邦題は的を射ている、と納得。

是非とも、一人でも多くの人に見て欲しい映画です。







by onikibi | 2017-08-26 21:34 | Comments(0)

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