ぴすとんのタワゴト

piston.exblog.jp
ブログトップ | ログイン

スイス・アーミー・マン 死体と向き合うファンタジー



以前から気になっていた映画「スイス・アーミー・マン(Swiss Army Man)」を観て来ました。

無人島にたった一人きりで流れ着いた主人公・ハンクは、絶望と孤独に耐えかねて
首吊り自殺を試みます。
そのハンクの目の前に、突然浜辺に流れ着いた一人の男が現れます。
人に会えた!助かるかも!?と歓喜して駆け寄ったハンクの前に横たわる男は、残念ながら
既に事切れた死体でした。
しかしこの死体との出会いが、この後ハンクの運命を大きく変える事に…

というあらましで始まる映画ですが、去年くらいからネット上を賑わせたいた、この映画の
常軌を逸したトレーラーを目にした方も、実は少なくないのでは?と思います。

…と、私が勝手にそう思っているだけですが…(;^ω^)



という訳でここからは
※注・ネタバレあり!!※




















とは書きましたが、都内でもTOHOシネマズ・シャンテとシネマ池袋・ロサでしか
上映してないという、8月に観たFounderより更に少ない劇場数に泣けて来ます。

死体役のメニーを演じるダニエル・ラドクリフの扱いが、日本では非常に低いと
感じるのは私だけでしょうか?
同じハリー・ポッター・シリーズで共演したエマ・ワトソンが「美女と野獣」で
大々的に取り上げられている様子と比べると、あまりに不憫に思えて来ます。


…しかしまぁ、方や「美女と野獣」で、こっちが「スイス・アーミー・マン」では
仕方ないか(;´∀`)


シネマ池袋・ロサで観るのはちょっとアレだったので、有楽町のシネシャンテまで
行って来たのですが、平日のお昼にも関わらず結構お客さんが入ってました。
この辺はFounderと似てますね、上映館数が少ないのでコアなファンが集ってる
感じです。


この映画、ギャグとマジの境目が曖昧な、実にシュールな映画となってます。
セリフも表現も下品で、オナラやゲロ水に下ネタ会話満載、お客さんには結構
受けていましたし、私も思わず声を漏らして笑ってしまいました。

なにせ死体の扱いが映像的には酷い。
最初は死体の腐敗が進んだ体内ガスが強力過ぎて、そのまま屁の勢いで水上を
進んでしまいます。
慌てたハンクは死体に飛び乗って、屁のジェットボートと化した死体のメニーと
共に無人島を脱出!


たどり着いた海岸は険しい森林地帯、ここをくぐり抜けてなんとか街まで生還を
果たしたいハンクは、何故か死体のメニーを見捨てられません。
なんとここからハンクは、死体を担いで延々と森を進みます。

けれど水が尽き、もうダメだと思って死体に怒りをぶつけると、なんと死体の
口から大量の真水が溢れ出て来るではありませんか!?
それ飲んじゃうか普通!???Σ( ̄□ ̄;)
飲むんですよハンクは・・・・

道中もずっと独り言を死体に向けて話しかけていたハンクですが、今度は突然
ガスかと思う空気が口から漏れて、それがだんだんと言葉になって、遂には
死体と会話が出来るようになってくるという、文字だけだと私の頭がおかしく
なったんじゃないか?と思うような展開です。

ここまでで既に「何だそれ?」とお思いの、呆れ顔の貴兄も多いのでは無いかと
思いますが、どっこいここからが本番です。

メニーと名乗る死体とハンクとの交流が本当のドラマです。
ああっ、読むの止めないで!!(;´∀`)


と言いつつも、ここから先は映画を御覧になった方一人一人が何を感じるか?
に掛かって来ます。

ハンクは、喋る上にジェットオナラで進み真水を吐いて歯をナイフ代わりに使え
口から出すガス圧で石も矢も飛ばせる便利な死体・メニーと共に、森の中での
サバイバル生活を生き抜きます。
この死体の便利さを指して、スイスのアーミーナイフのようだと例えたのが
映画のタイトル「スイス・アーミー・マン」になってます。
ひでぇタイトルだな(;^ω^)

しかしいくら便利で喋ってくれても所詮は死体、自力では動けません(なんだそれ!)
ハンクが死体を「使う」しか無いのです。

そんな死体のメニーと心を通わせる内に、やがてハンクは自分の居た場所から逃げて
来た過去を吐露し、現実と向き合うよう死体に諭されます。

最初は喋る死体・メニーの記憶を辿るつもりが、いつの間にか自分の記憶とすり替えて
嘘の記憶でメニーを励ますハンクですが、その実、その行為は自分の逃げ出した過去を
振り返り自分と向き合うプロセスになっていたという、なかなか面白い展開です。

奇妙奇天烈な映画に見えて、実は自分と向き合う勇気と大切さを考えさせられる
映画であり、その手法が奇抜ではありますが、実にファンタジックな作品です。

素晴らしいのは、見た目のイロモノ具合に中身が負けていないところ。
こんな作品、作ろうと思っても絶対にバランスを欠いた不出来な物になるでしょう。
でもこの映画は果敢に挑戦し、見事に成し遂げています。
観終わった後の爽快感は実に良いモノでした(*´ω`*)

それに音楽も素晴らしいので、是非劇場で御覧になって頂きたい一本です。
…上映劇場は少ないけどな…(;´Д`)



さあ、次はクリス・エヴァンス主演のギフテッドだ!ヽ(*´ヮ`)ノ
こっちはもう少し上映館数が多いよね?ね?ね?



by onikibi | 2017-09-26 16:22 | Comments(0)

日々のタワゴトを徒然に


by onikibi