ぴすとんのタワゴト

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さらば、バレストル

元FIA会長のジャンマリー・バレストル氏が亡くなりました、享年86歳。
世間では「誰やねん、そいつ?」という感じでしょうが、昔から、本当に昔から
F1に親しみ馴染んでいたファンには、決して忘れられない人物の一人です。

かつてF1がまだ本当に「F1サーカス」と呼ばれていた頃、F1を巡る激しい
利権争いを参加チームと繰り広げ、結果的にチームのコンストラクターを
代表し統べる組織の長であるバーニー・エクレストンと共に、争いまたは
手を組みながら、80年代のF1を発展させて来たFIAの大物会長でした。

一部オールド・ファンには、かつてのセナプロ対決の折り、同郷のフランス人
ドライバーのアラン・プロストに肩入れした裁定をして、一気にセナファンを
中心とした世論から非難を浴び憎まれました。


やや頬の垂れた風貌にサングラスと、正に一見するとよからぬ組織のボスと
言った風貌で、憎まれながらもキャラの立った実に良い味を出してる人で、
まるでWWEのスーパースターに対するビンス・マクマホンのように、見る側に
とっては分かりやすいボスキャラだったというのも好印象で、ファンからすれば
憎まれ役としては最適な好人物と言えるでしょう。

正直、バレストルがFIA会長選で現会長のマックス・モズレーに敗れた時は
小躍りして喜んだものです(;^_^A


しかし古くて分かりやすいF1の構図は消え、今現在のF1グランプリは、より複雑で
政治的な色あいが濃い利権争いの舞台へと変貌を遂げてしまいました。
コンストラクターやドライバーと、利権を統括する組織との対立構図という、非常に
分かりやすい図式は、今から考えると結構面白かったです。
まさかモズレーが、あれだけ憎まれたバレストル政権を上回るくらい不鮮明で
不誠実な利権ゴロだったとは・・・orz

居なくなって初めてその人の価値が分かる、なんて事をよく耳にしますが、
私にとってF1におけるバレストルとは、その楽しませてくれたキャラクターと共に、
憎らしい裁定や発言を含め、非常に得難い重要な人物だったと思い知りました。
FISAとFOCAによるF1分裂開催も、セナプロ対決時のフランス人びいきも、
当時はハラワタ煮えくりましたが、今となっては良い思い出です( ̄▽ ̄;)


さらばバレストル、あなたはあなたの愛したF1と共に、永遠に時代の記憶として
人々の心に残るでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
by onikibi | 2008-03-29 13:17 | Comments(0)

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